図書館に行った

 9月末にGoogleアドセンスの審査に落ち、それからしばらくへこたれてしまっていた。しかし昨日友人と話をしたところ、Googleアドセンスは「落ちるもの」だということなので、あまり凹んでいても仕方ないと思い直した。プラス、時間を置いて自分の書いた記事を読んでみると「結構いいセン行ってるな!」という気持ちにもなった(何しろ僕が百%共感できる話しか書いていない!)ので、久々に筆を取ることにする。

 図書館の話をしたい。ここ一年ほど「何か作業をする時はコメダ珈琲店に行ってコーヒー一杯で三時間くらい粘る」というのがルーティンになっていたのだが、これはあまりよくないと思うようになった。

 実際、コーヒー一杯で粘るというのは理想でしかない。結局二時間、三時間いることを考えると店員さんに申し訳なくなってきて、シロノワールやら季節のケーキやらをつけてしまう。そうすると一会計800円くらいになって、まあまあのペースで金がなくなることになる(余談だが、コメダの価格はよく言われるデカさだけにかかっているのではなく、滞在時間代も込み込みだと思う。コメダの客は僕に限らず、すごい長いこと席に座っている)。

 それに、すごい勢いでお菓子を食べることになるので、どんどん太っていく。これはあまりよくない。根っからのインドア人間なので、行き場のないカロリーが腹回りに蓄積していく。というか、した。この一年で三キロくらい太った。

 というわけで、近頃は金をかけなくても滞在できるコワーキングスペースみたいなものを探すようになった。そこで思い立ったのが図書館の利用である。少し距離があるので全然視野に入れていなかったのだが、自転車で行ける範囲内に大きめの図書館があるのだ。

 『ベルリンうわの空』という漫画がある。これは作者のドイツでの生活を基にした半ノンフィクションなのだが、よくあるお国柄あるあるに終始するのではなくて、社会とか生き方とか、そういう込み入った話もする話になっている。僕は込み入った話をごちゃごちゃ考えるのが好きなので、これはとてもいい漫画だと思う。

 その『ベルリンうわの空』に、主人公がドイツの図書館に行く回がある。ゲームも“図書”扱いで置いてあったり、本探しを手伝ってくれるコンシェルジュがいたり、無料で使えるのがスゴイ! という風に描かれていて、「やっぱり外国は進んでるな〜」などと思っていた。

 まあ大体想像がつくかも知れないのだが、大体同じ体験を国内の県立図書館でできた。

 図書館はすごかった。凄い数の蔵書があり、その全てが俺のもんだった(俺のもんではない)。

図書館では誰でも本を手に取り、無限に中身を摂取することが許されている。本屋でも立ち読みということができるが、図書館はそんなものではない。座って本が読めるように椅子が置いてあるし、カードを作って手続きすれば蔵書を家に持って帰って読むことができるのだ。

 読書用の机は全部埋まっていたが、パソコン用のスペースが別途設けられていたので、そこで作業することができた。全部無料だった。もうずっと読んでいなかった都会のトム&ソーヤの16巻以降と、北杜夫のエッセイを借りて帰った。値段を気にせずに色々な活動ができ、まあまあ胸が詰まった。

 小学生の頃、「税に関する書道コンクール」みたいなのがあって、皆「正しい税」とか「私たちの生活を支える税金」みたいなことを書かされた。昔はプロパガンダだと思っていたが、今なら「税でつくろう明るい未来」くらいは書いてやってもいいと思った。