ゴルファーファ
この間、初めてゴルフに行ってきた。
ゴルフ。あんまりいい印象のないスポーツである。昔見たアニメやドラマの中では、ゴルフ場を作ろうとする暗黒メガコーポの首領(ドンと読んでください)と、自然を守りたい子供たちがいろいろなやり方で戦っていた思い出がある。
「ぼくらの」で二番目にジアースに乗った子のお父さんはまさにそういう大人で、巨大ロボ同士の戦いでできた平地にゴルフ場の建設をゴリ押そうとして顰蹙を買っていた(その後息子の動かす巨大ロボの戦いに巻き込まれてペシャンコになっていた)。
そういう洗脳を受けて育ったので、僕もこのスポーツについては、金はあるけど厚顔無恥で腹の突き出たオヤジ共の娯楽だと思っていた。
が、友人に誘われて、今回ゴルフ場に行ってみることにした。
というのは、オードリーの若林さんが著作の中で「ゴルフはクソだと思ってたけど結構面白い。少なくとも気の合わない奴らとの飲み会よりはマシ」ということを書いていたのを読んだからだ。で、最近は「若林がこう言ってるならいっぺんやってみてえな〜、ゴルフってやつをよ!」と思っていたのである。
実は数年前に一度だけ、おじと一緒に打ちっぱなしに行ったことがある。アイアンを使って100発ばかり球を打った。合わないグローブと力みのせいで手のひらの皮がベロベロになったが、結構楽しかったのを覚えている。
おじ曰く「飛ばすために必要なのは正確なフォーム」で、「正確なフォームは人間にとって不自然なポーズ」らしい。飛ばすためにクラブの握り方、腕の角度、頭の位置、目線などなど、とにかく気にしなければならないことが多かったが、50球目以降は多少慣れてきて、そこそこ気持ちよくボールを打ちっぱなせた。
そういう記憶があったので、僕はコース巡りを舐めていた。言うてなんとかなるやろ、と思って、とりあえずグローブを買って(ヨドバシカメラで300円足らずであった)、楽しみな気持ちだけ持って行った。
到着後に「ゴルフ場では襟付きのポロシャツを着るのがマナー」という恐怖のルールが開示されたが、友人の上着を借りてなんとかなった。途中で雨が降ってきたが、最終的には晴れたし、風邪も引かずに済んだ。
問題はスコアである。
これはとんでもなかった。どこを見ても「155くらいでやばかった」とか「180超えの子もいるから大丈夫だよ」みたいなことが書いてあるのに、僕の記念すべきファーストスコアは195を記録している。結局手の皮はあちこちベロベロになった。
ぶっちゃけ午前中は後ろに誰も来ていないのをいいことにOBをなかったことにしていた(1ホールにつき3回くらい)ので、真実のスコアはもっと多い。全然球は飛ばなかったし、なんならクラブがかすりもしないこともあった。
しかしまあ、だからこそ玉が綺麗に飛んだ時は気持ちがいいし、良いスコアを出せたホールについては嬉しい記憶が残る。フォームについて気を使っている時はとにかくそれに集中することができて、当事者として没頭している感覚を味わえた。これは瞑想にも近いものがあって、軽く汗をかきながら頭の中の雑念を掃除できる効果もあると思う。
休憩中はゴルフの話をしていればいいので、余計な気の使い方はあまりしなくてもいい。ゲームをすることで共通の話題を作るというやり方は、どの時代でも同じなのだろう。幼稚園の頃にゲームボーイアドバンスを買ってもらえなくて、知ったかぶりで話についていくしかなかった時のことを思い出した。
まあ、これでゴルフについてはだいたいわかった。もう一回行くかは……いっぺん考えてからにしたい。いや、確かに景色も空気もいいし、飯もうまくて風呂も気持ちが良かった。ゴルフ場で出会った人はみんな痩せていて、Tシャツを来ている僕にも優しくて、若い人も多かった。
ただ、めちゃくちゃ金がかかった。ここだけは印象通りだった。道具を揃えるとなると一体いくらかかるのか、あんまり考えたくはない。
ゴルフにはめちゃくちゃ金がかかります。でも、一本くらいならクラブを買って、打ちっぱなしに行くようにしてもいいかも知れない。そう思えるくらいには楽しかったです。
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